事例No.16(発達障害)生活管理、対人関係のトラブル等に関する大学の対応についての相談

【事例紹介】

事例が起きた時期

過去5年以内

事例が起きた学校

私立大学

当該学生の属性

1年次、障害種別:発達障害(ASD)

相談者

保護者

相談にいたる経緯

入学後の本人の学校不適応状況を大学から聞いた保護者から、当機関に相談したいという電話が入る。

相談内容

大学入学後の一人暮らしの生活管理の難しさ、大学内での授業への参加のしにくさ、学生間の対人関係上のトラブル、コミュニケーションの難しさ等について、保護者から大学の対応の仕方へのアドバイスをしてほしいとの依頼があった。

機関の対応

大学の健康管理センターの担当者を中心に、本人の状況の整理(主治医の意向を含む必要な情報の収集、大学での様子等)を行なってもらった上で、発達障害の特性から見た大学での対応の仕方、大学へのニーズの高い保護者への対応の仕方について、支援を行なった。本人の主たる相談先を健康管理センターが担うこととし、混乱時、不安時の対応の仕方についてアドバイスした。また、本人理解を進めてもらうために大学側が保護者との面談を行ない、大学での本人の状況と必要なサポート、大学での対応の限界についても説明した。当所には大学からその都度進捗を知らせてもらい、電話等でも継続的に相談に応じた。

その後の経過

大学内での定期的な相談場所ができたことで、生活に落ち着きが見られた。卒業認定単位を取得。卒後は一般就労を希望していた保護者も、大学との話し合いを行なう中で、本人にはまず緩やかに働く経験が必要であると考えるようになり、自宅から通えるアルバイトから始めた方がよいとの意見になった。