事例紹介
事例が起きた時期
令和2年度
発生時期:進級時
事例が起きた学校
国立大学、学校規模:5,000~9,999人
対象学生
学科(専攻):理学、年次:2、障害種:発達障害(ADHD)
支援の申し出
1.支援の申し出の受付
- 支援の申し出:有
- 申し出を受けた部署(者):障害学生支援部署
- 支援の申し出を受け付ける申請書(様式):有
- ニーズ聴き取りのための面談:実施した
2.支援が必要とされた場面
授業・研究指導 試験の評価、単位取得、卒業要件等
申し出への対応
1.配慮内容の決定について
- 配慮の提供に関する学内関係部署の検討・協議:実施した
- 検討協議に参加した部署(者):障害学生支援部署 教務担当部署 教育部門
- 配慮内容の決定過程:当該学生は参加せず、決定後に通知した
- 学内関係部署への配慮依頼文書の配付:実施した
2.配慮内容決定後のモニタリング・フォローアップ
- 当該学生に対して、感想・不満等の聞き取りを行なった
相談内容
記入なし
申し出内容と配慮の提供
申し出内容1:口頭のみの指示では聞き逃したりしやすいため、重要事項等は板書または文書で提示してほしい
- 提供した配慮:申し出通りの配慮
- 配慮内容決定時での合意形成:できた
- 合意形成できたと考える根拠:その後特に何も言ってきていない
- 提供した配慮の具体的内容:授業において、教員には重要事項を板書または文書で確実に伝達するよう、配慮依頼文書に記載し、学部から通知した。
- 事後評価:ニーズは満たせず、学生は納得していないと思われる
- 事後評価の理由・詳細:希望どおりの配慮をするよう教員に通知したが、申し立てが行われたため
申し出内容2:気分の波が激しく、集中力維持も難しいため、課題の取り組みに時間がかかることがある。したがって、課題の提出締切を延長してほしい。
- 提供した配慮:学校が提案した配慮=すべて自動的に課題の提出締切を猶予するのではなく、本人の申し出に応じて、猶予することとした。
- 配慮内容決定時での合意形成:できた
- 合意形成できたと考える根拠:その後特に何も言ってきていない
- 提供した配慮の具体的内容:本人の申し出があった場合に、成績評価期限等に支障のない範囲で、課題の提出締切を延長してほしい旨、配慮依頼文書に記載し、学部から通知した。
- 事後評価:ニーズを満たし、学生も満足している
- 事後評価の理由・詳細:特に不満等の話は出ていないため。
配慮内容決定後の不服、不満、苦情の申し立て
- 不服、不満、苦情等申し立て:あった
- 申し立てを受けた部署:教育部門(学部・学科、担当教員等)
- 申し立て内容:試験が行われることに気づかず、受験できなかった。確実に情報伝達してくれなかった。
追試や代替措置をしてほしい。
※通常学期末に試験は行われる予定だったが、学期後半からオンライン授業に切り替わることが決まっていたため、対面授業期間中に試験を実施した。 - 申し立てへの対応に関わった部署:障害学生支援部署 教務担当部署 教育部門(学部、担当教員等)
- 申し立てへの対応手順:授業担当教員から、障害学生支援部署に連絡が入り、教員とともにどう対応すべきか話し合った。
- 申し立てへの対応内容:「板書や文書等で情報伝達を行ったか」を授業担当教員に確認したところ、「授業中は口頭のみの指示、加えて学習管理システムには文書で、試験日時、場所等を記した」との回答であった。学習管理システムを確認しなかった本人の非はあるものの、授業中に学生が聞き逃した可能性もあることから、本人の希望どおり、レポート課題を課す代替措置を行った(オンライン授業実施期間だったため、追試が不可)
- 対応に関する学生の反応:納得して、問題なく修学している
- 学生の反応の具体的内容:代替措置の課題に取り組み、提出して、単位取得できたため、不服は収まっている。
その後の経過、課題等
その後、授業担当教員が、試験日等をアナウンスした日の出欠を確認したところ、当該学生は欠席していた。
授業に参加していなければ、そもそも口頭指示を聞くこともできず、学習管理システムも確認していなかった本人に非があることが明らかとなった。
代替措置等の対応後であったため、代替措置を取りやめることはしなかった。
今後は、授業に参加していない状況では希望する配慮がなされることはない旨、当該学生に説明した。