事例に学ぶ 紛争の防止・解決等につながる対応や取組
事例No.536(精神障害・他の精神障害)
申し出内容
- 1. 受講者名簿の性別表記を、男性表記に変更することを希望
- 2. 健康診断時に、男性として受診すること、もしくは個別に対応することなどを希望
- 3. 宿泊実習等のある講義を受講する場合、男性としての部屋割り及び入浴時の個室対応を希望
- 4. 男性トイレの使用許可願い
配慮内容
- 1. 受講者名簿には、性別欄がない様式となっているため、現状のとおりの名簿を用意した。
- 2. 健康診断時に男性として受診してもらう、もしくは個別対応などをした。
- 3. 宿泊実習等のある講義を受講した際に、担当教員等と調整することとした。
- 4. 男性トイレの使用を許可した。
解説
性同一性障害は、本事例集においては「その他の精神障害」に含まれています。ただし、性別の違和については障害という言葉で表現することが適切であるかどうかは議論があります。そして、医学的な治療を受けておらず、診断書がないような場合には、その学生が障害学生であるかどうかを判断することが難しいことがあります。もっとも、「第二次まとめ」は、次のように記しています。「障害の内容によっては、これらの資料[手帳や診断書など]の提出が困難な場合があることに留意し、障害学生が根拠資料を取得する上での支援を行なうことや、下記の建設的対話等を通じて、学生本人に社会的障壁の除去の必要性が明白であることが現認できる場合には、資料の有無に関わらず、合理的配慮の提供について検討することが重要である。」ここに記されているように、大切なのは、建設的対話を通じて社会的障壁の除去の必要性があるかどうかという問題に目を向けることです。これは、障害の医学モデルではなく、障害の社会モデルの視点です。
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