令和4年度奨学金の返還者に関する属性調査結果

抽出人数 回答人数 回答率 参考母数(令和4年度末)
延滞者 15,584 1,601人 10.3% 131 千人
無延滞者 8,585 1,414人 16.5 % 4,431千人
  • 回答人数には無回答・不明回答を含まない。

結果の概要

1.在学中の手続等に関すること

(1)奨学金申請時に申込手続き(書類作成や入力作業)を行った者(択一)

奨学金申請時の申込手続きを「奨学生本人」が行った比率は、無延滞者では59.0%であるのに対し、延滞者では47.9%と低い。また、「奨学生本人」と「本人と親等」を合せてみても、無延滞者では84.3%であるのに対し、延滞者では70.2%しか申請時の申込手続きに奨学生本人が関わっていない。延滞者は無延滞者に比べて、親等が申請時の申込手続きを行った比率が高い。

図1-1 奨学金申請時の申込手続きを行った者(択一)

図1-1奨学金申請時の申込手続きを行った者回答比率棒グラフ;延滞者:奨学生本人47.9%、本人と親等22.3%、親23.8%、その他・覚えていない6.0%/無延滞者:奨学生本人59.0%、本人と親等25.3%、親13.1%、その他・覚えていない2.6%

(2)奨学金はどのように役に立ったか(複数回答)

奨学金がどのように役に立ったかについて、延滞者、無延滞者ともに「授業料等の学校納付金に使うことができた」が最も高い。また、延滞者、無延滞者ともに、「毎月の生活費につかうことができた」が2番目に高い。

  • 比率は回答者数に対する比率。複数回答のため、合計は100%を超える。

図1-2 奨学金はどのように役に立ったか(あてはまるものを全て選択)

図1-2奨学金はどのように役に立ったか回答比率棒グラフ;延滞者:学校納付金に使うことができた70.9%、修学費に使うことができた24.8%、毎月の生活費に使うことができた34.2%/無延滞者:学校納付金に使うことができた68.7%、修学費に使うことができた28.2%、毎月の生活費に使うことができた48.0%

回答者のうち、2つ以上の効果を感じている者は、延滞者では30.8%、無延滞者では40.0%である。

奨学金の効果の数比率棒グラフグラフ;延滞者(1,601人)いずれか1つの効果を感じている人69.2%、2つ以上の効果を感じている人30.8%/無延滞者(1,414人)いずれか1つの効果を感じている人60.0%、2つ以上の効果を感じている人40.0%

(3)返還義務を知った時期(択一)

返還義務を知った時期は、無延滞者では「申込手続きを行う前」が89.1%であるのに対し、延滞者では56.2%にとどまり、申込手続きまでの認識が十分でないことがうかがえる。また、延滞者では、貸与終了後に返還義務を知った者の合計は14.0%で、そのうち約半数の6.8%は「延滞督促を受けてから」知ったと回答している。

図1-3 返還義務を知った時期(択一)

図1-3返還義務を知った時期回答比率棒グラフ;延滞者(1,601人):申込手続きを行う前56.2%、申込手続中13.4%、貸与中5.8%、貸与終了時3.3%、貸与終了後~返還開始前3.6%、返還開始~督促前3.6%、延滞督促を受けてから6.8%/無延滞者(1,414人):申込手続きを行う前89.1%、申込手続中6.1%、貸与中2.0%

2.奨学生の職業・年収

(1)奨学生本人の職業(択一)

奨学生本人の職業は、延滞者では「正社(職)員・従業員」41.1%、「非正規社(職)員・従業員」28.2%、「無職・失業中/休職中」16.4%であるのに対し、無延滞者では「正社(職)員・従業員」74.5%、「非正規社(職)員・従業員」13.1%、「無職・失業中/休職中」4.2%で、無延滞者の方が延滞者より安定した就業状況にあるといえる。

図2-1 奨学生本人の職業(択一)

図2-1奨学生本人の職業回答比率棒グラフ;延滞者(1,601人):正社(職)員・従業員41.1%、非正規社(職)員・従業員28.2%、自営業/家業8.5%、無職・失業中/休職中16.4%/無延滞者(1,414人):正社(職)員・従業員74.5%、非正規社(職)員・従業員13.1%、自営業/家業2.8%、無職・失業中/休職中4.2%

(2)奨学生本人の年収(択一)

奨学生本人の年収について、「300万円以下」の比率は、延滞者では合計69.0%であるのに対し、無延滞者では合計40.0%と大きな差がみられる。

図2-2 奨学生本人の年収(択一)

図2-2奨学生本人の年収回答比率棒グラフ;延滞者(1,601人):0円12.1%、100万円以下15.1%、100万円超~200万円以下19.3%、200万円超~300万円以下22.4%、300万円超~400万円以下15.3%/無延滞者(1,414人):0円4.4%、100万円以下5.6%、100万円超~200万円以下10.2%、200万円超~300万円以下19.8%、300万円超~400万円以下23.2%

3.延滞の状況

(1)延滞している理由 ※延滞者のみ

調査時点で延滞中の者に、延滞している理由を質問した。延滞している理由は、「本人の低所得」が62.9%で最も高く、次いで「奨学金の延滞額の増加」が35.2%である。男女別でみると、男性は女性に比べて「本人の借入金(日本学生支援機構奨学金以外)の返済」の比率が高い。また、「奨学金の延滞額の増加」は男女ほぼ同率となっている。

図3-1 延滞している理由(あてはまるものを全て選択)

図3-1延滞している理由回答比率棒グラフ;男性:本人の低所得61.6%、本人の借入金の返済36.2%、奨学金の延滞額の増加34.3%/女性:本人の低所得64.5%、本人の借入金の返済25.3%、奨学金の延滞額の増加36.3%

(2)延滞経験の有無 ※無延滞者のみ

調査時点で無延滞の者に、これまでに延滞したことがあるかを質問した。
「延滞したことがある」者は20.6%である。

図3-2 延滞経験の有無(択一)

図3-2延滞経験の有無回答比率円グラフ;無延滞者(1,414人):延滞したことがない73.2%、延滞したことがある20.6%、わからない6.2%

(3)延滞をしたときに最初にしたこと(択一)

調査時点で延滞中の者および無延滞者で「延滞したことがある」と回答した者に、延滞したときに最初に行ったことを質問した。無延滞者は「入金した」が74.0%で最も高いのに対し、延滞者は「奨学金相談センターに電話した」が30.5%で最も高い。

図3-3 延滞をしたときに最初にしたこと(択一)

図3-3延滞をしたときに最初にしたこと回答比率棒グラフ;延滞者(1,601人):入金した14.5%、返還期限猶予を申請した18.3%、奨学金相談センターに電話した30.5%、何もしなかった14.5%/無延滞者(291人):入金した74.0%、奨学金相談センターに電話した8.3%

4.返還期限猶予制度・減額返還制度について

(1)猶予制度の認知状況(択一)

返還期限猶予制度の認知率は、延滞者で80.5%、無延滞者で59.3%である。ただし、返還が始まる前までに認知していた比率は、無延滞者では合計で37.7%であるのに対し、延滞者では6.9%と大きな差がみられる。また、延滞者では「延滞督促を受けてから知った」比率が54.6%と、無延滞者に比べて高い。

図4-1 返還期限猶予制度の認知状況(択一)

図4-1返還期限猶予制度の認知状況回答比率棒グラフ;延滞者(1,601人):奨学金に申し込む前から知っていた3.6%、返還が始まる前に知っていた3.3%、返還が始まってから知った19.0%、延滞督促を受けてから知った54.6%、知らない19.5%/無延滞者(1,414人):奨学金に申し込む前から知っていた19.0%、返還が始まる前に知っていた18.7%、返還が始まってから知った20.0%、知らない40.7%

(2)減額返還制度の認知状況(択一)

減額返還制度の認知率は、延滞者で62.8%、無延滞者で48.8%である。ただし、返還が始まる前までに認知していた比率は、無延滞者では合計で30.8%であるのに対し、延滞者では4.8%と大きな差がみられる。また、延滞者では「延滞督促を受けてから知った」比率が43.3%と無延滞者に比べて高い。

図4-2 減額返還制度の認知状況(択一)

図4-2減額返還制度の認知状況回答比率棒グラフ;延滞者(1,601人):奨学金に申し込む前から知っていた3.1%、返還が始まる前に知っていた1.8%、返還が始まってから知った14.7%、延滞督促を受けてから知った43.3%、知らない37.2%/無延滞者(1,414人):奨学金に申し込む前から知っていた15.6%、返還が始まる前に知っていた15.3%、返還が始まってから知った16.4%、延滞督促を受けてから知った1.6%、知らない51.2%

(3)減額返還制度を何で知ったか(複数回答)

減額返還制度を知っている者(「奨学金に申込む前から知っていた」+「返還が始まる前に知っていた」+「返還が始まってから知った」+「延滞督促を受けてから知った」)に、減額返還制度を何で知ったかを質問した。
延滞者は「機構からの通知」、「奨学金相談センター」で減額返還制度を知った比率がそれぞれ35.5%、16.6%で高く、無延滞者は「返還のてびき」、「奨学金申請時・採用時の資料」、「機構のホームページ」で減額返還制度を知った比率がそれぞれ46.6%、40.6%、22.6%で高い。

図4-3 減額返還制度を何で知ったか(あてはまるものを全て選択)

図4-3減額返還制度を何で知ったか回答比率棒グラフ;延滞者:機構からの通知35.5%、奨学金相談センター16.6%/無延滞者:奨学金申請・採用時の資料40.6%、返還のてびき46.6%、機構のホームページ22.6%

お問い合わせ
独立行政法人日本学生支援機構 奨学事業戦略部 奨学事業総務課
  • 電話 03-6743-6029
  • FAX 03-6743-6679