事例紹介
事例が起きた時期
令和元年度
発生時期:授業開始後
事例が起きた学校
私立大学、学校規模:5,000から9,999人
対象学生
学科(専攻):人文科学、年次:3、障害種:重複
支援の申し出
1.支援の申し出の受付
- 支援の申し出:有
- 申し出を受けた部署(者):学生生活支援担当部署
- 支援の申し出を受け付ける申請書(様式):無
- ニーズ聴き取りのための面談:実施なし
2.支援が必要とされた場面
授業・研究指導
申し出への対応
1.配慮内容の決定について
- 配慮の提供に関する学内関係部署の検討・協議:実施した
- 検討協議に参加した部署(者):障害学生支援部署 学生生活支援担当部署
- 配慮内容の決定過程:建設的対話を通じて学生との合意の上で行なった
- 学内関係部署への配慮依頼文書の配付:実施なし
2.配慮内容決定後のモニタリング・フォローアップ
- 当該学生に対して、感想・不満等の聞き取りを行なった
相談内容
記入なし
申し出内容と配慮の提供
申し出内容1:授業に際し、自分に障害があることを教員に周知してほしい。
- 提供した配慮:申し出通りの配慮
- 配慮内容決定時での合意形成:できた
- 合意形成できたと考える根拠:こちらの提案を受け入れた
- 提供した配慮の具体的内容:授業開始前に、障害学生が受講する授業の教員に対して、以下の内容を記載した配慮願を送付した。
障害特性=左側、後ろから話しかけられても聞こえない。右側からでも難しいことがある。口話、手話は可能。色の識別が困難、色付き眼鏡を使用することがある。手書き文字の判読が難しい等。
配慮依頼=授業後に本人が授業内容について質問することがある。座席を指定する場合は一番前で教員の口が見える席を指定してほしい。ディスカッションの際は、本人から他の学生に話し方で留意してほしいことや筆談をうながすことがある。映像教材はできるだけ字幕のついたものを使用してほしい。字幕のないものについてはボランティア学生が字幕をつけるので、できるだけ早く教材を提供してほしい。授業中に色付き眼鏡を装用することがある。資料は白黒で提供してほしい。緊急時は警報や周囲の音声が聞こえないので誘導してほしい。話しかけるときはマスクをはずし、口の形が見えるようにしてほしい等 - 事後評価:ニーズを完全には満たしていないが、学生も概ね満足している
- 事後評価の理由・詳細:概ね満足であったが、配慮願を送ったにも関わらず障害への把握が不十分な教員がいたと当該学生より申し出があったため。
配慮内容決定後の不服、不満、苦情の申し立て
- 不服、不満、苦情等申し立て:あった
- 申し立てを受けた部署:障害学生支援部署
- 申し立て内容:教員は、当該学生に障害があることは分かっていたが、障害学生が求める支援と教員が考える支援に齟齬があり、当該学生にとっては難しい要求をしていた(大きな声で発言することを求める等)。
- 申し立てへの対応に関わった部署:障害学生支援部署
- 対応に関する学生の反応:不服、不満、苦情が継続している
- 学生の反応の具体的内容:当該学生が相談に来た段階で、既にもうその講義を受ける意欲が減退してしまっていた。そのため、職員としてできるフォローはしたが、当該学生が受講を取りやめた。
- 申し立てへの対応手順:当該学生本人に聞き取りを行なった。また、同じ授業の受講生にも聞き取りを行ない、事実の確認を行なった。
- 申し立てへの対応内容:聞き取りをした情報をもとに、障害学生支援担当部署の担当者が教員へ話をした。
その後の経過、課題等
当該学生は納得して自ら受講を取りやめた(教職員から受講を取りやめるよう促したということではない)が、相談があった以上、学生が抱えている困りごとを解決し、受講を継続できるようにするべきであった。