事例No.576(下肢機能障害)身障者トイレ・ベッド付き休憩室の設置、車での通学に関する配慮等

【事例紹介】

事例が起きた時期

平成28年度
発生時期:その他

事例が起きた学校

国立大学、学校規模:5,000から9,999人

対象学生

学科(専攻):保健(医・歯学)、2年次、肢体不自由(下肢機能障害)

支援の申し出

1.支援の申し出の受付

  • 支援の申し出があった
  • ニーズ聞き取りのための面談を実施した
  • 申し出を受けた部署(者):教育部門(学部・学科、担当教員等)

2.支援が必要とされた場面:受験・入学

申し出内容と配慮の提供

申し出内容1:車通学の許可及び身障者スペース付き(屋根付き)駐車場の確保

※相談年次と発生時期について:学士編入学のため、8月と9月に入学試験を実施し、11月に入学が決定した。その後翌4月の入学に向けて1月に相談が発生したのである。入学試験時に合理的配慮が実施されたが、ここでは入学に向けた1月の面談内容について記載する。

決定した配慮内容:申し出に近い形で配慮を提供した。(屋根をつけるための予算を捻出することが困難で、代替の駐車スペースが存在するため、使用頻度の低い2箇所のスペースについては屋根を設置しないことで合意した。)

配慮内容の決定について

  • 配慮の提供について学内の関係部署による検討・協議を行なった
  • 配慮内容の決定は建設的対話を通じて学生との合意の上で行なった
  • 決定した配慮内容について学内関係部署に配慮依頼書を配付した

協議に参加した部署(者):障害学生支援部署、施設・設備担当部署、教育部門(学部・学科、担当教員等)、学生相談部門、その他

配慮内容決定後のモニタリング・フォローアップ

  • 配慮を提供した学生に対して、感想・不満等の聞き取りを行なった
  • 配慮を提供した学生に対して、定期面談を行なっている
  • 関係部署(者)に対してその後の状況に関して情報共有、聞き取り等を行なっている

申し出内容2:車椅子を使用して教室で受講できるようにする(教室へのアクセス、机の高さ、実習室の設備)

決定した配慮内容:申し出に近い形で配慮を提供した(実習室の設備において、物理的に改修不可能な部分〔流し等〕があったため、完全な形での配慮提供ができなかった)

配慮内容の決定について

  • 配慮の提供について学内の関係部署による検討・協議を行なった
  • 配慮内容の決定は建設的対話を通じて学生との合意の上で行なった

協議に参加した部署(者):障害学生支援部署、教務担当部署、施設・設備担当部署、教育部門(学部・学科、担当教員等)、学生相談部門

配慮決定後のモニタリング・フォローアップ

  • 配慮を提供した学生に対して、感想・不満等の聞き取りを行なった
  • 関係部署(者)に対してその後の状況に関して情報共有、聞き取り等を行なっている

申し出内容3:体温調節のため、授業の途中でトイレに行くための許可

決定した配慮内容:申し出通りの配慮を提供した

配慮内容の決定について

  • 配慮の提供について学内の関係部署による検討・協議を行なった
  • 配慮内容の決定は建設的対話を通じて学生との合意の上で行なった

協議に参加した部署(者):障害学生支援部署、教務担当部署、教育部門(学部・学科、担当教員等)、学生相談部門

配慮決定後のモニタリング・フォローアップ

  • 配慮を提供した学生に対して、感想・不満等の聞き取りを行なった
  • 関係部署(者)に対してその後の状況に関して情報共有、聞き取り等を行なっている

申し出内容4:ベッド付き休憩室の設置

決定した配慮内容:申し出通りの配慮を提供した

配慮内容の決定について

  • 配慮の提供について学内の関係部署による検討・協議を行なった
  • 配慮内容の決定は建設的対話を通じて学生との合意の上で行なった

協議に参加した部署(者):障害学生支援部署、教務担当部署、施設・設備担当部署、教育部門(学部・学科、担当教員等)、学生相談部門

配慮決定後のモニタリング・フォローアップ

  • 配慮を提供した学生に対して、感想・不満等の聞き取りを行なった
  • 関係部署(者)に対してその後の状況に関して情報共有、聞き取り等を行なっている

申し出内容5:車椅子で使用可能なトイレの設置

決定した配慮内容:配慮は一部提供された。通常の教室以外の大学の施設で実施される講義があり、その施設におけるトイレ設置希望があったが、関係する全ての階にトイレを設置する(既存のトイレを改修する)には莫大な費用がかかること、また、1箇所にトイレがあれば学生が移動して使用可能であることから、1箇所にのみ設置した。

配慮内容の決定について

  • 配慮の提供について学内の関係部署による検討・協議を行なった
  • 配慮内容の決定は建設的対話を通じて学生との合意の上で行なった

協議に参加した部署(者):障害学生支援部署、教務担当部署、施設・設備担当部署、教育部門(学部・学科、担当教員等)、学生相談部門

配慮決定後のモニタリング・フォローアップ

  • 配慮を提供した学生に対して、感想・不満等の聞き取りを行なった
  • 配慮を提供した(しなかった)学生に対して、定期面談を行なっている

配慮内容決定後の不服、不満、苦情の申し立て

申し立てはなかった

その後の経過、課題等

今後は試験や実習において多くの配慮及び調整が必要になる見込みである。また、合理的配慮と(たとえば)実習における到達目標との兼ね合いに関する協議も発生すると思われる。

【参照】