【事例紹介】
事例が起きた時期
過去5年以内
事例が起きた学校
公立大学、学校規模:5,000から9,999人
対象学生
学科(専攻):工学、1年次、聴覚・言語障害(難聴)
相談、不満・不服の申し立て、または支援の申し出
1.場面等
授業・研究指導
2.内容
- ノートテイク、できればパソコンテイクによる支援をしてほしい
- 高等学校の時には自身のFMマイクを使用していたので、併用して使いたい
- 安全上の注意事項や実験に対する理解不足が生じる恐れがあるため、必須の実習科目にTA(実習補助者)を配置してほしい
- DVDなどの視聴覚教材の使用する場合は、すべての資料に文字起こしをしてほしい
- 語学の授業では聞き取りにくいので、読み方にカタカナをふってほしい。また文法についても聞くだけではなく配布資料等による情報提供がほしい
学校の対応
1.関わった部署
障害学生支援部署、教務担当部署
2.対応内容
- 手書きによるノートテイク支援
- FMマイクの使用
- 実習科目におけるTAの配置
- 配慮依頼書による教員への修学上の配慮・支援についての通知
- 資料の事前配付や板書を増やす等の視覚的な情報提供(教員への依頼)
- DVD等の教材を使用する際は、字幕付きの教材を選ぶなど、可能な限り音声情報から文字情報への置き換え(もし映像等に字幕がついていない場合は、事前に文字起こしをしておく)
理由、原因等 ※学校の回答
- 過重な負担となるため(費用・負担の程度)
- 支援体制、支援学生の確保、予算
- 具体的な内容
相談を受けた段階で、その時大学として支援できる事例を挙げ、相互の妥協点を探すことができるように随時話し合いの場を設けた。
(例)
希望:パソコンテイクをしてほしい。
大学からの説明:現在パソコンテイクするためのパソコンがなく、その人材がいない。今後導入を予定している。
代替としての支援:手書きによるノートテイクの実施
学生等の反応
- 納得して、修学している
その後の経過
過去に聴覚障害のある学生の受入はあったが、支援実績はなかったため、当該学生からの相談を受けてから対応することが多く、支援開始までに時間がかかってしまった。
(例)ノートテイク(在学している学生によるサポートスタッフ)の人材不足、学生サポートスタッフ同士の連絡体制など
その後パソコンテイク用のPC及びFMマイクを購入し、平成27年度からパソコンテイクに移行、FMマイクは当該学生に貸出中としている。また学生サポートスタッフについては、支援開始時は被支援学生がノートテイカーの手配等のコーディネートを行なっていたが、現在はメーリングリストにより学生サポートスタッフ同士で連絡を行なっている。