【事例紹介】
事例が起きた時期
過去5年以内
事例が起きた学校
私立大学、学校規模:500から999人
対象学生
学科(専攻):非公表、受験時、重複(上下肢機能障害、その他の障害)
相談、不満・不服の申し立て、または支援の申し出
1.場面等
受験・入学
2.内容
〔状況〕
障害者手帳第1級。
小学校1年生のときに交通事故により第四胸椎を損傷し、頭部を除く身体の自由が利かなくなった。
現在、電動車椅子に乗り、あごを使用してコントロールしている。呼吸に障害が残り、酸素のパイプを常に口にくわえる必要がある。両手は、およそ10分毎に、痙攣・硬直の発作があり、その都度、ヘルパー・母親が手を押さえ肘掛にもどす作業を行なっている。
発作が起こるときは全身もこごみがちになり、落ち着いた後、姿勢を修正する必要もある。共同トイレの利用は不可のため、ベッドに横になり、導尿作業20分から30分が必要である。
〔支援の申し出〕
・大学内に専用の部屋とベッドを設置してほしい。
・大学までの道が車での送迎に不安がある為、駅で車椅子ごと大学バスに乗せる設備を準備してほしい。
学校の対応
1.関わった部署
入試担当部署、教育部門(学部、学科)等、保健管理センター等
2.対応内容
本人・母親・介助担当者(男性:60代)・ヘルパー(男性:20代後半)に大学に来てもらい、学内施設の見学を行ない、実際に必要な支援等について話し合いを行なった。
理由、原因等 ※学校の回答
- 過重な負担となるため(費用・負担の程度)
- 施設・設備
- 具体的な内容
大学側で対応が必要となる支援が4点あり、費用がかかるため困難となった。
- 1.大学内に専用の一部屋確保
- 2.スクールバスの車椅子リフトの設置
- スクールバスの改造は不可能、車椅子リフト付きのバスを新規購入すると750万円の費用がかかる。
- 3.教養課程の授業を行なう棟にエレベーターの設置
- 校舎が傾斜地にあるため、教養課程の授業を行なう棟へのエレベーターの設置は極めて困難。
設置するとなると2基のエレベータ設置が必要で1基につき、3000万円から4000万円の費用がかかる。 - 4.介護の先生の付き添いは、手当の支出が必要
- 大学で支出する必要があるか検討要。
学生等の反応
特にありません。(受け入れ不可能として受験をお断りしましたが、紛争に至っていません。)