事例紹介
事例が起きた時期
平成30年度
発生時期:入学後
事例が起きた学校
私立大学、学校規模:10,000人以上
対象学生
学科(専攻):社会科学、年次:4、障害種:肢体不自由(上下肢機能障害)
支援の申し出
1.支援の申し出の受付
- 支援の申し出:有
- 申し出を受けた部署(者):教務担当部署
- ニーズ聴き取りのための面談:実施なし
2.支援が必要とされた場面
授業・研究指導 式典、行事、説明会、シンポジウム等への参加 試験の評価、単位取得、卒業要件等 休み時間等におけるケア
申し出への対応
1.配慮内容の決定について
- 配慮の提供に関する学内関係部署の検討・協議:実施した
- 検討協議に参加した部署(者): 学生生活支援担当部署 教務担当部署 施設・設備担当部署 教育部門 保健管理部門
- 配慮内容の決定過程:建設的対話を通じて学生との合意の上で行なった
- 学内関係部署への配慮依頼文書の配付:実施した
2.配慮内容決定後のモニタリング・フォローアップ
当該学生に対して、感想・不満等の聞き取りを行なった。その後の状況に関して、関係部署(者)に聴取、情報共有を行なっている。
相談内容
記載なし
申し出内容と配慮の提供
申し出内容1:講義のノートテイク
提供した配慮:申し出通りの配慮
配慮内容決定時での合意形成:できた
提供した配慮の具体的内容:学生が講義のノートテイク、録画を行なった。
事後評価:ニーズを満たし、学生も満足している
事後評価の理由・詳細:事前に配慮内容について、父親を通じ綿密に協議したこと、毎週本人、指導教員、教務担当職員、保健管理部門看護師が聞き取りを行い、無事に卒業することができた。
申し出内容2:別室での受講 脊椎損傷により首から下が動かずヘルパーの帯同が不可避。排泄のコントロールができないこと、大型の車椅子のため、教室移動が困難なため
提供した配慮:申し出通りの配慮
配慮内容決定時での合意形成:できた
提供した配慮の具体的内容:車椅子での移動を考慮し、別校舎の教室を用意し、別室での受講を可能とした。
事後評価:ニーズを満たし、学生も満足している
事後評価の理由・詳細:合意形成がなされた後も、毎週ヒアリングを行い希望を聞き対応するようにしていたため。
申し出内容3:授業のネット配信(遠隔)
提供した配慮:申し出通りの配慮
配慮内容決定時での合意形成:できた
提供した配慮の具体的内容:授業は教務担当職員が毎回ネット配信の準備を行い、録画データを渡し、体調不良等で参加できない場合のフォローを行なった。
事後評価:ニーズを満たし、学生も満足している
事後評価の理由・詳細:こちらの提案を受け入れた。
申し出内容4:授業の録画データの提供
提供した配慮:申し出通りの配慮
配慮内容決定時での合意形成:できた
提供した配慮の具体的内容:教務担当職員が講義の録画データを毎回学生に配信した。
事後評価:ニーズを満たし、学生も満足している
事後評価の理由・詳細:合意形成がなされた後も、毎週ヒアリングを行い希望を聞き対応するようにしていたため。
申し出内容5:ヘルパーの同席
提供した配慮:申し出通りの配慮
配慮内容決定時での合意形成:できた
提供した配慮の具体的内容:別室を用意し、ヘルパー等部外者の同席を認めた。
事後評価の理由・詳細:合意形成がなされた後も、毎週ヒアリングを行い希望を聞き対応するようにしていたため。
申し出内容6:試験をレポートにするか、PCでの受験(試験時間延長)
提供した配慮:申し出通りの配慮
配慮内容決定時での合意形成:できた
提供した配慮の具体的内容:教務担当職員が 授業担当教員に学生の要望を伝え、調整した。
事後評価:ニーズを満たし、学生も満足している
事後評価の理由・詳細:授業担当教員の理解、協力が得られニーズを満たせたと思われるため。
申し出内容7:褥瘡予防等のケアをするため保健室の利用許可
配慮内容決定時での合意形成:できた
提供した配慮の具体的内容:休憩時間に保健管理センターで褥瘡ケア等を行なった。
大学の看護師が事前にリハビリ施設に赴き、学生の状況、処置等について医師と連携し準備した。
事後評価:ニーズを満たし、学生も満足している
事後評価の理由・詳細:合意形成がなされた後も、毎週ヒアリングを行い希望を聞き対応するようにしていたため。
配慮内容決定後の不服、不満、苦情の申し立て
不服、不満、苦情等申し立て:なかった
その後の経過、課題等
卒業に必要な単位は、全て座学の講義であったため、保健室で講義を受講したり、授業をネット配信しても、本質的変更には当たらないと判断した。