事例No.93(難聴)修学途中で障害を負ったため、免許・資格取得を断念

【事例紹介】

事例が起きた時期

過去5年以内

事例が起きた学校

私立短期大学、学校規模:1から499人

対象学生

学科(専攻):教育、2年次、聴覚・言語障害(難聴)

相談、不満・不服の申し立て、または支援の申し出

1.場面等

授業・研究指導、実習、フィールドワーク等

2.内容

修学中、突発性難聴を発症し両側高度感音性難聴と診断され、補聴器を使用しても会話の聞きとりが困難であった。
本人及び母親より免許、資格の取得は望まないが、できれば卒業したい旨、相談があり学修上の配慮事項について学内で検討し対応した。

学校の対応

1.関わった部署

学生生活支援担当部署(学生課等) 、教務担当部署、 保健管理センター等

2.対応内容

本人及び母親、教務部長、クラス担任、保健管理担当者と協議し、受講科目の教員へ講義資料または、レジュメの提示を依頼した。また、グループワーク、グループ発表等を全体で行なうことは可能だが、学生の個人発表は避けるよう説明した。学生間のノートテイクも活用したが、担当学生の負担が大きかった。
障害者手帳の申請及び、障害者雇用に関する資料を提供し、就業支援もスムーズに行なえ、地元自治体へ公務員として就職することができた。

理由、原因等 ※学校の回答

  • 過重な負担となるため(費用・負担の程度 財政・財務状況)
  • 施設・設備、教職員の理解、支援体制、支援学生の確保
  • 具体的な内容

受講科目が同じ学生にノートテイクを依頼していたが、相互に気遣いが多く遠慮から充分に意見を伝えることがむずかしい状況があった。
専任のノートテイカーやパソコンテイカーの依頼は費用面や設備面から困難なため、授業担当教員の対応に依存する面が多くみられた。

学生等の反応

定期的に本人及び母親、教務部長、クラス担任、保健管理担当者が面談し学生本人の意見聴取に努めた。
病状変化に伴う苦悩、不安等の訴えも聞かれたがクラスメイトと共に卒業、就職することができ、安心された様子であった。

その後の経過

配慮が必要な学生を早期に発見できるよう、教務部長、学生部長、カウンセラー、養護職員との意見交換の場を設定した。今後、定期開催ができるよう検討している。

【参照】