事例No.206(聾)AO入試時の情報保障の申し出

【事例紹介】

事例が起きた時期

過去5年以内

事例が起きた学校

私立大学、学校規模:10,000人以上

対象学生

学科(専攻):社会科学、受験時、聴覚・言語障害(聾)

相談、不満・不服の申し立て、または支援の申し出

1.場面等

受験・入学

2.内容

本人がAO入試での受験を希望。試験では教員からの講義の要約とグループディスカッションが課されるため、講義ではパソコンテイク、グループディスカッションでは手話通訳による情報保障を希望。

学校の対応

1.関わった部署

障害学生支援部署、入試担当部署、教育部門(学部、学科等)

2.対応内容

本人からの配慮要請を受けて、障害学生教育支援担当部署と入試担当部署で配慮実施の可否について検討。手話通訳等の情報保障が難しい場合の代替手段についても説明。AO入試については、学部主導で実施をする入試のため、本人が希望している学部のAO入試担当委員(教員)を交えて協議。その後、担当委員から学部長へ上申し、学部での判断に委ねた。

理由、原因等 ※学校の回答

教育の目的・内容・機能の本質的な変更となるため
過重な負担となるため(事務・事業への影響の程度)
その他
具体的な内容
協議を踏まえ、学部としては対応できない旨が障害学生教育支援部署および入試担当部署へ報告がなされる。理由としては、「グループディスカッションという方法をとっており、その様子を観察し評価を付けている。情報保障において、手話通訳がタイムラグが少ないとはいえ、他の受験生としては、ただでさえ初めて顔を合わせる受験生であり、通訳を付けた状態でのグループディスカッション経験がないことが予想される。そのような状況で、もし、『手話通訳のせいで不合格になった』と言われた時に、説明のしようがない」とのこと。

学生等の反応

一度、そのような報告がなされたが、本人が受験志願をしていなかったため、志願があった段階で、再度相談をする方向になったが、結局本人から「AO入試は内容が難しいため、他の方法で受験をする」と受験辞退の連絡があり、配慮の実施には至らなかった。

その後の経過

その後、推薦入試で本学を受験したが、不合格となった。

【参照】