令和元年度奨学金の返還者に関する属性調査結果

(目的)
奨学金返還者の状況を把握し、奨学金回収方策の検討のための基礎資料を得る。

(調査対象)

(調査方法)
質問を記入した調査票を送付し、返信用封筒により返送を依頼した。

(調査時期)
令和2年2月

(回答受入状況)

抽出人数 回答人数 回答率 参考母数(令和元年度末)
延滞者 15,781人 2,048人 13.0% 152千人
無延滞者 7,673人 1,458人 19.0% 4,111千人

※回答人数には無回答・不明回答を含まない。

結果の概要

1.在学中の手続等に関すること

(1)奨学金申請時に申込手続き(書類作成や入力作業)を行った者

奨学金申請時の申込手続きを「奨学生本人」が行った比率は、無延滞者では60.0%であるのに対し、延滞者では39.9%と低い。また、「奨学生本人」と「本人と親等」を合せてみても、無延滞者では86.6%であるのに対し、延滞者では63.7%しか申請時の申込手続きに奨学生本人が関わっていない。延滞者は無延滞者に比べて、親等が申請時の申込手続きを行った比率が高い。

図1-1 奨学金申請時の申込手続きを行った者(択一)

図1-1奨学金申請時の申込手続きを行った者のグラフ;延滞者(2,000人):奨学生本人39.9%、本人と親等23.8%、親28.2%、その他・覚えていない8.1%/無延滞者(1,447人):奨学生本人60.0%、本人と親等26.6%、親11.1%、その他・覚えていない2.3%

(2)奨学金はどのように役に立ったか

奨学金がどのように役に立ったかについて、延滞者、無延滞者ともに「家計の負担を軽減できた」が60%以上で最も高い。また、延滞者では「進学することができた」が43.9%、無延滞者では「修学費に使うことができた」が48.0%でそれぞれ2番目に高い。

図1-2 奨学金はどのように役に立ったか(あてはまるものを全て選択)

図1-2 奨学金はどのように役に立ったかグラフ;延滞者:進学することができた43.9%、修学費に使うことができた38.5%、家計の負担を軽減できた60.0%、アルバイトの時間を減らすことができた11.0%、その他1.7%、役に立たなかった・わからない1.3%/無延滞者:進学することができた40.8%、修学費に使うことができた48.0%、家計の負担を軽減できた68.3%、アルバイトの時間を減らすことができた20.2%、その他1.2%、役に立たなかった・わからない0.1%

回答者のうち、2つ以上の効果を感じている者は、延滞者では39.5%、無延滞者では50.3%である。

 図1-2 奨学金の効果の数グラフ;延滞者(1,983人):いずれか1つの効果を感じている人59.3%、2つ以上の効果を感じている人39.5%、いずれの効果も感じていない人1.3%/無延滞者(1,445人):いずれか1つの効果を感じている人49.6%、2つ以上の効果を感じている人50.3%、いずれの効果も感じていない人0.1%

(3)返還義務を知った時期

返還義務を知った時期は、無延滞者では「申込手続きを行う前」が89.4%であるのに対し、延滞者では50.3%と約半数にとどまり、申込手続きまでの認識が十分でないことがうかがえる。また、延滞者では、貸与終了後に返還義務を知った者の合計は16.3%で、そのうち約半数の8.2%は「延滞督促を受けてから」知ったと回答している。

図1-3 返還義務を知った時期(択一)

図1-3 返還義務を知った時期グラフ;延滞者(1,981人):申込手続きを行う前50.3%、申込手続き中14.5%、貸与中6.5%、貸与終了時3.3%、貸与終了後3.9%、返還開始後4.2%、延滞督促後8.2%、その他・わからない9.1%/無延滞者(1,447人):申込手続きを行う前89.4%、申込手続き中5.0%、貸与中2.8%、貸与終了時0.6%、貸与終了後1.0%、返還開始後0.2%、延滞督促後0.2%、その他・わからない1.0%

2.奨学生の職業・年収

(1)奨学生本人の職業

奨学生本人の職業は、延滞者では「正社(職)員・従業員」40.7%、「非正規社(職)員・従業員」30.9%、「無職・失業中/休職中」14.6%であるのに対し、無延滞者では「正社(職)員・従業員」74.3%、「非正規社(職)員・従業員」13.9%、「無職・失業中/休職中」4.0%で、無延滞者の方が延滞者より安定した就業状況にあるといえる。

図2-1 奨学生本人の職業(択一)

図2-1 奨学生本人の職業グラフ;延滞者(2,035人):正社(職)員40.7%、非正規社(職)員30.9%、自営業/家業7.0%、学生(留学を含む)0.2%、専業主婦(夫)4.6%、無職・失業中/休職中14.6%、その他2.0%/無延滞者(1,458人):正社(職)員74.3%、非正規社(職)員13.9%、自営業/家業2.5%、学生(留学を含む)1.2%、専業主婦(夫)3.7%、無職・失業中/休職中4.0%、その他0.3%

(2)奨学生本人の年収

奨学生本人の年収について、「300万円以下」の比率は、延滞者では合計69.7%であるのに対し、無延滞者では合計42.4%と大きな差がみられる。

図2-2 奨学生本人の年収(択一)

 図2-2 奨学生本人の年収グラフ;延滞者(2,023人):0円12.2%%、100万円以下16.0%、100万円超~200万円以下18.9%、200万円超~300万円以下22.6%、300万円超~400万円以下14.0%、400万円超~500万円以下7.2%、500万円超~600万円以下2.6%、600万円超~700万円以下1.8%、700万円以上0.8%、わからない2.9%/無延滞者(1,452人):0円4.9%%、100万円以下6.1%、100万円超~200万円以下9.0%、200万円超~300万円以下22.5%、300万円超~400万円以下21.2%、400万円超~500万円以下13.3%、500万円超~600万円以下8.9%、600万円超~700万円以下5.3%、700万円以上7.0%、わからない1.9%

3.延滞の状況

(1)延滞している理由 ※延滞者のみ

調査時点で延滞中の者に、延滞している理由を質問した。
延滞している理由は、「本人の低所得」が62.7%で最も高く、次いで「奨学金の延滞額の増加」が42.6%である。
男女別でみると、男性は女性に比べて「本人の借入金の返済」の比率が高く、女性は男性に比べて「本人の配偶者の経済困難」の比率が高い。

図3-1 延滞している理由(あてはまるものを全て選択)

 図3-1 延滞している理由グラフ;男性:本人の低所得58.6%、本人が失業中(無職)17.2%、本人が病気療養中10.7%、本人の借入金の返済34.5%、本人親の経済困難(本人が親を援助)20.2%、本人親の経済困難(親が返還する約束)17.5%、配偶者の経済困難4.0%、家族の病気療養12.1%、忙しい8.2%、返還割賦額(月額)が高い20.3%、奨学金の延滞額の増加41.4%/女性:本人の低所得66.9%、本人が失業中(無職)22.0%、本人が病気療養中11.5%、本人の借入金の返済24.0%、本人親の経済困難(本人が親を援助)19.6%、本人親の経済困難(親が返還する約束)21.1%、配偶者の経済困難9.7%、家族の病気療養11.1%、忙しい7.2%、返還割賦額(月額)が高い18.8%、奨学金の延滞額の増加43.9%/計:本人の低所得62.7%、本人が失業中(無職)19.6%、本人が病気療養中11.1%、本人の借入金の返済29.3%、本人親の経済困難(本人が親を援助)19.9%、本人親の経済困難(親が返還する約束)19.3%、配偶者の経済困難6.8%、家族の病気療養11.6%、忙しい7.7%、返還割賦額(月額)が高い19.6%、奨学金の延滞額の増加42.6%

(2)延滞経験の有無 ※無延滞者のみ

調査時点で無延滞の者に、これまでに延滞したことがあるかを質問した。
「延滞したことがある」者は19.7%である。

図3-2 延滞経験の有無(択一)

 図3-2 延滞経験の有無グラフ;無延滞者(1,444人):延滞したことがない75.3%、延滞したことがある19.7%、わからない4.9%

(3)延滞をしたときに最初にしたこと

調査時点で延滞中の者および無延滞者で「延滞したことがある」と回答した者に、延滞したときに最初に行ったことを質問した。
無延滞者は「入金した」が78.5%で最も高いのに対し、延滞者は「奨学金相談センターに電話した」が28.3%で最も高い。

図3-3 延滞をしたときに最初にしたこと(択一)

 図3-3 延滞をしたときに最初にしたことグラフ;延滞者(1,988人):入金した14.8%、返還期限猶予を申請した18.4%、「返還のてびき」をみた2.3%、機構ホームページをみた3.8%、奨学金相談センターに電話した28.3%、文書・FAXで機構に相談した1.3%、連帯保証人・保証人に相談した4.5%、家族、親族に相談した6.0%、その他7.3%、何もしなかった13.1%/無延滞者(284人):入金した78.5%、返還期限猶予を申請した4.6%、「返還のてびき」をみた0.7%、機構ホームページをみた1.8%、奨学金相談センターに電話した6.7%、文書・FAXで機構に相談した0.0%、連帯保証人・保証人に相談した1.4%、家族、親族に相談した1.8%、その他4.6%

4.返還期限猶予制度・減額返還制度について

(1)猶予制度の認知状況

返還期限猶予制度の認知率は、延滞者で78.1%、無延滞者で61.8%である。ただし、返還が始まる前までに認知していた比率は、無延滞者では合計で39.8%であるのに対し、延滞者では6.6%と大きな差がみられる。また、延滞者では「延滞督促を受けてから知った」比率が54.0%と、無延滞者に比べて高い。

図4-1 返還期限猶予制度の認知状況(択一)

 図4-1 返還期限猶予制度の認知状況グラフ;延滞者(2,020人):奨学金に申し込む前から知っていた3.2%、返還が始まる前までには知っていた3.4%、返還が始まってから知った17.5%、延滞督促を受けてから知った54.0%、知らない21.9%/無延滞者(1,454人):奨学金に申し込む前から知っていた19.1%、返還が始まる前までには知っていた20.7%、返還が始まってから知った19.6%、延滞督促を受けてから知った2.3%、知らない38.2%

(2)減額返還制度の認知状況

減額返還制度の認知率は、延滞者で63.3%、無延滞者で49.7%である。ただし、返還が始まる前までに認知していた比率は、無延滞者では合計で31.9%であるのに対し、延滞者では4.6%と大きな差がみられる。また、延滞者では「延滞督促を受けてから知った」比率が46.5%と無延滞者に比べて高い。

図4-2 減額返還制度の認知状況(択一)

 図4-2 減額返還制度の認知状況グラフ;延滞者(1,878人)奨学金に申し込む前から知っていた2.3%、返還が始まる前までには知っていた2.3%、返還が始まってから知った12.1%、延滞督促を受けてから知った46.5%、知らない36.7%/無延滞者(1,382人)奨学金に申し込む前から知っていた14.5%、返還が始まる前までには知っていた17.4%、返還が始まってから知った15.7%、延滞督促を受けてから知った2.1%、知らない50.3%

(3)減額返還制度を何で知ったか

延滞者は「機構からの通知」、「奨学金相談センター」で減額返還制度を知った比率がそれぞれ51.3%、22.4%で高く、無延滞者は「返還のてびき」、「奨学金申請時・採用時の資料」、「学校の説明会」で減額返還制度を知った比率がそれぞれ44.1%、33.4%、22.0%で高い。

図4-3 減額返還制度を何で知ったか(あてはまるものを全て選択)

 図4-3 減額返還制度を何で知ったかグラフ;延滞者:奨学金申請・採用時の資料5.6%、返還のてびき13.3%、機構のHP11.8%、機構からの通知51.3%、返還相談センター22.4%、学校の説明会1.4%、連帯保証人・保証人2.6%、家族・友人4.2%、債券回収会社13.3%、テレビ・新聞など1.7%、スカラシップ・アドバイザー0.4%、その他1.3%/無延滞者:奨学金申請・採用時の資料33.4%、返還のてびき44.1%、機構のHP15.5%、機構からの通知15.6%、返還相談センター1.2%、学校の説明会22.0%、連帯保証人・保証人0.7%、家族・友人7.3%、債券回収会社0.0%、テレビ・新聞など5.1%、スカラシップ・アドバイザー0.0%、その他1.0%

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